
KPIの重要性やメリットを理解しても、実際の導入でつまずくケースは少なくありません。ここでは、以下7つの設定方法を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
KPI設定の第一歩は、自院の現状を正しく把握することから始まります。
思い込みや感覚ではなく、客観的なデータに基づいて課題を洗い出すことが大切です。
まずは財務諸表やレセプトデータ、患者アンケートなど、入手可能なあらゆるデータに目を通しましょう。
収益構造や患者数の推移、職員の勤続年数など、さまざまな角度から分析します。
すると「収益は安定しているが、若手職員の離職率が高い」といった、これまで見えていなかった本当の課題が浮かび上がってくるはずです。
この現状分析が、的確なKPI設定の土台となります。
次に、病院全体で目指す最終目標であるKGIを設定します。
単なる目標数値ではなく、職員の心を動かすような、魅力的で分かりやすい言葉で示すことが大切です。
たとえば「地域住民が家族にも薦めたいと思う病院になる」といった、誰もがその実現を願うようなビジョンを掲げます。
このKGIが、これから設定するすべてのKPIの拠り所となり、職員が困難に直面した際の旗印となります。
院長の想いを込めた、明確で力強いメッセージを発信しましょう。
職員の共感を得られるかどうかが、プロジェクトの成否を大きく左右します。
KGIを掲げただけでは、日々の業務は変わりません。
KGIを達成するための具体的な行動指標であるKPIへと分解していく作業が必要です。
「地域でもっとも信頼される病院になる」というKGIを達成するには、何が必要かを考えなければなりません。
たとえば「医療の質向上」や「待ち時間の短縮」をKSFとします。
さらに「インシデント発生率の5%削減」や「待ち時間を15分以内に短縮」といった、測定可能なKPIに落とし込みます。
KGIから逆算してKPIを設計することで、日々の行動と最終目標が論理的に結びつくでしょう。
KPIが決まったら、具体的な目標数値を設定します。
現場の職員が「頑張れば達成できそう」と感じられる、現実的なレベルを目指すことが肝心です。
目標設定の際は「SMART」と呼ばれるフレームワークが役立ちます。
目標が以下5つの要素を満たしているかを確認する手法です。

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現場の意見も聞きながら、納得できる数値を設定することが、第一歩となります。
KPI導入を成功させるには経営層だけでなく、現場の各部門を巻き込んだ推進体制が不可欠で、全職員が当事者意識を持つことが大切です。
各部門からキーパーソンを選出し、KPI推進チームを組織しましょう。
このチームが中心となり、設定したKPIの目的や意義を現場の隅々まで丁寧に説明し、なぜ必要なのかを対話を通じて伝えます。
その際、KPI達成が職員自身の成長や待遇改善にどうつながるかを示すことも有用です。
全院的なプロジェクトとして進めることで、やらされ感をなくし、主体的な取り組みを促します。
KPIは設定して終わりではありません。
むしろ、運用を開始してからが本番です。
形骸化させないためには、進捗を確認し、改善につなげるためのルールをあらかじめ決めておく必要があります。
たとえば、以下のような具体的なルールを設けます。
誰がいつまでにデータを集計するか担当を決める
進捗状況を院内の誰もが見える場所に掲示する
定期的にKPIに触れる機会を作ることで、常に目標を意識する文化が醸成されるでしょう。
この仕組み作りを徹底することが、KPIを組織に根付かせるための鍵となります。
一度設定したKPIも、外部環境や内部状況の変化に応じて、柔軟に見直していく姿勢が大切です。
当初は適切だった目標が、いつの間にか現状に合わなくなっていることもあります。
たとえば、新しい治療法が導入されたり、競合となるクリニックが開業したりした場合、見直すべきKPIが出てくるかもしれません。
定期的にKPIの妥当性を評価し、必要であれば目標を修正し、よりよい未来へ導くためのツールであるという認識を忘れないようにしましょう。
この改善サイクルを回し続けることで、組織は常に成長できます。